【数字は語る】なぜ2022年度の税収見積もりが過去最高になったのか
新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種が進んでいるが、終息は見えない。
それにもかかわらず、2022年度当初予算(国の一般会計)の税収見積もりが過去最高の65.2兆円となった。
21年度も、当初予算の税収見積もり(57.4兆円)と比較して、法人税を中心に増収の見込みで、63.8兆円を超える可能性が出てきた。
増収の中心が法人税なのは事実だが、なぜコロナ禍にもかかわらず、22年度の税収見積もりが過去最高となったのか。
このヒントは、1990年度の税収との比較で把握できる。17年度以前では、過去最高の税収だったのはバブル崩壊直前の90年度である。
https://cigs.canon/article/20220322_6648.htm... このときの税収合計は60.1兆円であり、所得税収が26兆円(税収全体の43%)、法人税収が18.4兆円(同30%)、
消費税収が4.6兆円(同7%)などだった。その後、所得税や法人税の税収が低下する一方、消費税の税収が増加し、
22年度における税収見積もりは65.2兆円となっている。
65.2兆円の内訳は、所得税収が20.4兆円(税収全体の31%)、法人税収が13.3兆円(同20%)だが、消費税収は21.6兆円(同33%)
で22年度の最大の税目は消費税だ。つまり、90年度から22年度までに所得税収は5.6兆円減少、法人税収は5.1兆円減少した一方、
消費税収は17兆円も増加した。また、消費税収が法人税収を初めて超えたのは02年度だが、消費税収が所得税収を初めて超えたのは
最近の20年度である。
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